漆沢歯科新聞 2010年3/15号 親知らず

親知らずとは、顔の中心の歯から奥の方へ数えて8番目に生えくる歯のことで、智歯(ちし)または第3大臼歯(だいさんだいきゅうし)と呼びます。

多くが20代前後に生えてくるので、平均寿命が40歳前後だった昔の人は、自分の子供に親知らずが生えてくる前に亡くなってしまい、生えてくる歯が見れなかった。というのが「親知らず」の由来だと言われています。

親知らずのタイプ
★まっすぐタイプ

一部または半分程見えます。普通の歯と同じようにまっすぐに生えてきているタイプです。歯の奥の歯茎と歯との隙間に汚れが溜まりやすいです。健康な状態で生えてくればブリッジの土台や、他の歯が失われてしまった時の歯牙移植にも使えます。
★斜め傾きタイプ

親知らずが生えるスペースがないため、手前の奥歯にぶつかって斜めに生えた状態です。このタイプの親知らずは時間が経ってもきちんと生えてきません。また、歯と歯茎の間に歯垢が蓄積しやすく、炎症を起こしやすくなっています。
★潜水タイプ

親知らずがまったく見えず、前の奥歯の根元にぶつかるように横に倒れて生えている状態です。侵入路さえなければ内部に炎症が広がる事はありませんが、手前の歯と歯肉の間から細菌が入ってしまうと智歯歯周炎を起こしてしまうことがあります。
親知らずは抜かなきゃいけないの?
親知らずは必ず抜かなきゃいけないの?と聞かれたら、答えはNOです。親知らずがまっすぐ生えていて腫れや痛みもなく、健康な状態できちんと歯の役割をしているのであれば、抜歯の必要はありません。

将来親知らずの手前の歯がダメになってしまったときは、ブリッジの土台にしたり、他の歯が失われてしまったら、移植することもできます。しかし、下記の様な場合には抜歯が必要です。
・腫れを繰り返す原因となっている
・虫歯になりやすい
・中等度以上の虫歯になっている
・横向きに生えている
・手前の歯を押している場合、歯並びが悪くなる
・顎の骨に悪影響が出る場合
親知らずの治療
親知らずがまっすぐ生えなかったり、炎症や虫歯を起こしてしまった場合は、抜歯が最も確実な治療法になります。斜め傾きタイプや潜水タイプは手前の奥歯を押してしまうので、手前の歯に影響が出てしまう事もあります。

歯の治療時間は親知らずの生え方や医師の技術にもよりますが、10~60分程です。親知らずが奥に埋まっていたり、歯と顎の骨が密着している場合は、歯肉の切開や骨を削る場合もあります。
麻酔をするので痛みはありません。

誰しも歯を抜くことに抵抗はあると思いますが、痛みや腫れがあるのに我慢し続けていると症状が悪化してします。親知らずの痛みの原因は細菌感染の可能性もありますので、早めに当院にご相談ください。
抜歯後の注意点
★抜歯をした日は安静に

抜歯をすると出血します。激しい運動や熱いお風呂に入る、飲酒など、血行がよくなることは出血の原因となります。抜歯後は安静に過ごして下さい。また、抜歯後は血の塊(血餅)がゼリー状のかさぶたになります。口をゆすぐと血餅がとれてしまうので、抜歯当日は口をゆすがないようにしてください。
★ドライソケット

抜歯後一週間以上も痛みが続いている場合は、血餅がはがれたりして穴がきれいに埋まっておらず、骨の一部が露出してしまう事があります。この状態をドライソケットといいます。ドライソケットになってしまったら、抗生剤と消炎剤を含んだガーゼを抜歯窩に挿入して、傷口を保護して自然治癒を待ちます。
★腫れ

抜歯後一番多い症状が腫れです。上顎はほとんど腫れる事はありませんが、下顎はしばしば腫れがみられます。仕事がある場合は、治療後2、3日休めるような状態にしておきましょう。腫れがひどい場合は当院で処方した鎮痛薬(ない場合は市販のものでもかまいません)の使用や、頬にアイスパックをあてるなどの処置をしましょう。
 

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